(上記タイトルをクリックすると「ファン・セラーノ」のHPに飛びます)
40年くらい昔のわが学生時代、ファンセラーノ(Juan Serrano、Cordoba)のフラメンコギターを聴いて、フラメンコのファンになってしまった。あの曲を一人で弾いてるとは信じられないほどの、高速で複雑な指の動き。当時ビデオもなくレコードの音で指使いを理解するしかなかった時代だから、なおさら驚いた。それがフラメンコギターファンになったきっかけ。スペイン好きの友人H君と二人でこっそり、大学の大型ステレオプレーヤーを置いてある部屋に忍び込み、LPレコードからソニーのリール式7インチテープデッキにコピーしたりした。とても良い音がするその録音テープ、長らく楽しんだが、紛失して久しい。
(なお、ファンセラーノのこのLP、4枚、1961年Elektraから出版。プロデビューが13歳(1947)だから、生まれは1934年、だから27歳のときの出版だ。今2008年で74歳か)。
JUAN SERRANO FLAMENCO GUITAR Master 1988
その後しばらくは、新宿の地下街でやってた無料のフラメンコショーを見に通ったり。そこに毎回のように東大卒?だという若い女性も、踊ってたりして。あの娘はその後どうなったのだろうか、わが国のフラメンコ界の大物にでも?。とにかく、当時からわが国はスペインに次いで、フラメンコが盛んな国だった。今の団塊の世代に、フラメンコファンが多いのもそのせいだろう。
ところで自分も、数年前のことではあるがひょんなことから、わが国で大変有名なフラメンコギターの先生に習う機会があった(でもそれも2、3年間のこと、今はまたなかなか行けず大変ご無沙汰している・・・。また習いに行きたいものだ)。この先生、ギター音楽という雑誌に歴代の有名フラメンコギタリストについて連載したりのすごい勉強家、教本や楽曲集、そのDVDなど、いっぱい出している。当然ファンセラーノのことも熟知してるはずと思い、その後の様子を聞いてみたが、あまり多くは聞けなかった。若くしてあれだけ抜群のテクニックを持ってるファンセラーノのこと、簡単に埋もれることはないと思ったけど・・。
で最近になって知ったのだが、あの40年前の頃からしばらくして、ファンセラーノ自身、米国カリフォルニア州立大学の先生に転向。多分(フラメンコ)ギター科の先生。最近リタイアしてその大学の名誉教授(Dr.& Prof.Emeritus)で現在はフロリダ在住、少し自由になったためか音楽界(シャバ?)で活躍し始めたたことなどを、インターネットの彼のサイトで知った。
そのサイトには、のっけから当時のあの曲集が流れている。なつかしい。でも当人、もう70歳をとうに超えている。演奏の動画もある。かなり歳をとってしまったようだ。で、この激しい指の動作、どこまで指が動かせ続けられるか、自分の場合はいつまでフラメンコギターを趣味として続けられるか?、こうした年輩のギタリストの演奏を動画で視聴することには、別の意味で大変興味がある。
スペイン留学経験もあるわが先生の話であるが、ギターの有名なスペインでも、音楽学校にギター科はあるものの、「フラメンコギター科」はないそうな。こんなに美しいギター音楽なのに。クラシックギター奏者もフラメンコギターのテクニックを避けては通れないくらい重要なのに(Rémi Boucher - Aranjuez-2nd Movement など、すごの一語だ、あの有名なオーケストラ曲を一人で弾いている)。とにかく、わが先生がこうした話を持ち出したのは、ファンセラーノがフラメンコギター科を米国で作ってたのを知ってたからかもしれない、と今になって思う。それにしても大学の先生とは意外。
個人的には、ファンセラーノ自身若くしてあれだけの腕だったのだから、大学の先生などならず、そのままフラメンコギタリストとして「シャバ」の音楽の世界で活躍し続けて欲しかった、と思う(なになに?、活躍してたって?お前が知らないだけだって?)。 ・・・かも。
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2008-10-15
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